アウトソーシングは一般的に「自社の業務を外部に委託すること」を指します。専門知識が豊富なプロに仕事を依頼することで、コストパフォーマンスがあがり、自社の労力やコストをコア業務※1に集中することが可能です。
※1 事業活動の根幹を成し、利益・成果・業績に直結する業務の総称。

一方で、アウトソーシングはただ単純に委託すればよいという訳ではありません。担当者はパートナーとなる外部企業のご担当者さまと、仕事の目的・ゴールを共有した上で、協力しながら事業を推進する必要があります。

ハーブ健康本舗には、専門的な知見をもっているパートナー企業の皆さまと連携・協業しながら、より高い成果を生み出しているメンバーがたくさん在籍しています。本記事では、3つの部署のメンバーに集まってもらい、アウトソーシングする上での仕事術や、パートナー企業と連携して仕事を進めるコツを聞いてみました。
受電対応を協業して、画期的なアイデアの立案に集中|コールセンター運用 山内

最初に取り上げるのが、カスタマーサービスの中でも外部拠点のコールセンターを運用・管理している、通称“外部CS”と呼ばれる部門の仕事です。日頃から外部拠点のSV※2やオペレーターの方々と密に連携している山内に話を聞きました。
※2 オペレーターの配置や育成に従事する役職。「スーパーバイザー」の頭文字をとっている。

カスタマーサービス 山内
2023年1月より入社。外部拠点コールセンターの運営管理を担当。広告をみてお電話されたお客さまの応対品質向上に向け、日々業務に取り組む。
― 外部拠点のコールセンターを運用・管理している山内さん。日々パートナー企業と連携しながら業務を進めていらっしゃいますよね?まずは、日々の仕事内容について教えてください。

山内
計7社あるコールセンターの担当者さまとやり取りしながら、お客さまからのお電話でのご注文・お問い合わせに対応してもらうのが私の仕事です。所属している部署では、コールセンターごとの数値実績を日々確認し、適宜やり取りしながら応対品質の向上・数値改善に取り組んでいます。
具体的には、数値実績の集計・分析や、実績をもとにしたトークスクリプト※3の作成・更新の仕事が挙げられます。集計自体はシステムで算出するので、実績をパートナー企業の方にも共有しながら、分析業務も一部お任せしているんです。細かい数値分析を当社で進めつつ、コールセンター内部の事情や定性的な課題を取りまとめていただき、週1回は打ち合わせを設けて情報交換をしています。
※3 顧客対応する上でオペレータ―が話す内容をまとめたマニュアルのこと。スクリプトの表現が応対品質・購買促進に大きく影響するため、スクリプトの作成は担当者の重要な業務のひとつ。

― 受電の対応を委託しつつ、センターの運用に必要な分析・課題抽出は連携して行っているのですね。複数の拠点とやり取りする中で、気を付けていることはありますか?
山内
実績の話をする際は、数値化された根拠に基づいて協議するように心がけています。お力添えしてくれるパートナー企業がいるのに、拠点ごとの課題や改善すべきポイントを“なんとなく”で特定するのは、運用担当者の姿勢として好ましくありません。ミーティングが有意義な時間となるよう、報告し合って終わりではなく、きちんと数値資料を準備して臨んでいます。

とはいえ、私も業務を覚えたばかりの頃は、毎回のミーティングをこなすことに精一杯で…。このままではよくないと、自分の中で意識を変えて会議に臨むようにしました。こちらの意識が変わると、不思議と先方の返答内容や取り組みの熱量も変わってきていて、現在は一緒に事業に取り組むパートナーとして、信頼関係が生まれてきたように感じています。
― チームとして外部拠点のコールセンターの皆さまと連携するようになり、山内さんの仕事内容に何か変化はありましたか?

山内
運用部分をお任せしている分、新しい施策の立案や検証に時間を割けるようになりました。販促部門で実施しているお得なご案内を架電でお客さまに紹介したり、既存顧客向けにお送りしたDM内容と連動したトークスクリプトを展開したり…パートナー企業の責任者が現場をコントロールしてくれている間に、成果につながるコア業務に集中できるのは、アウトソーシングの大きなメリットだと感じています。
コア業務の一環で、電話回線の効率的な運用を実現するシステムづくりにも注力しています。出稿した広告と連動して回線の開け閉めを設定しないと、呼量に対応しきれずかけ直しが数多く発生し、その分コールセンターの稼働に負荷がかかるんです。そもそもかけ直すこと自体がお客さまの応対品質に影響するので、適切な呼量予測のもと運用しています。

― アウトソーシングをきっかけに、受電体制全体の効率化やお客さま対応の品質向上が実現できているのですね!
山内
前回の経営計画発表会で、過去の慣習や業界の常識にとらわれない画期的なアイデアを考え、迅速に実行していこうと話がありました。引き続き外部拠点のコールセンターと連携しながら、劇的な成果につながるアイデアの具現化に取り組んでいきたいです。インフォマーシャル※4の放送量に耐えうる万全な受電体制を構築すべく、IVR※5の活用や新たな拠点の追加を検討しながら、応対品質をさらにアップさせます。
※4 マスメディアであるテレビ広告のひとつ。「インフォメーション(情報)」と「コマーシャル(CM)」が語源となっており、提供する商品・サービスの魅力を存分に伝えるべく、長い尺で放映されることが多い。
※5 顧客からの問い合わせに対し、応答ガイダンスを用意することで自動応対する音声システムの総称。「Interactive Voice Response」の頭文字をとっている。

実は先日、チーフに昇格しました!これまでは部内で上司から指示をもらって動いていたのが、いまは自分で適切に状況判断して行動することが求められています。直近で、新商品のプロジェクトリーダーを任せてもらい、回線のオープンからスクリプトの作成までを段取りしながら企画を進めているので、まずはこの施策で成果を出したいです。
加えて、いまよりもさらに生産性を向上できる業務運用も検討を進めています。お客さまとの応答内容を自動的に文字起こしして、スクリプトの運用状況を確認したり、お客さまの傾向分析に活用したり…特に生成AIは活用の余地がまだまだあるので、適宜検討していきたいです。
お客さま対応品質の維持・向上をパートナー企業と連携して実現|カスタマーサービス 青柳

ハーブ健康本舗の事務所内にあるコールセンター部門は、お客さまの応対品質向上と効率的な部署運営を目指し、パートナー企業と連携しながら柔軟にアウトソーシングを取り入れている部署のひとつ。カスタマーサービス・青柳に話を聞いてみました。

カスタマーサービス 青柳
2023年8月より入社。カスタマーサービスに所属。コールセンターの稼働状況を分析し、販促部門の施策スケジュールを加味して適切に運用している。
― 社内のコールセンターで高品質なお客さま対応を提供してきたカスタマーサービス。最近は部署の運営方針に変化が生じていると耳にしました。

青柳
これまでは商品をご愛用いただいている既存のお客さまからのお問い合わせは、ほぼ社内のカスタマーサービスのメンバーで受電し、ご対応させていただいていました。現在は、社内の限られたメンバーで対応する状況でもお客さまをお待たせせず、かつ運用方法の改善・新たな施策の実施に注力できるよう、コールセンター専門のパートナー企業の方と連携して受電対応しています。
ハーブ健康本舗で対応してきた既存のお客さまへの応対品質をそのまま実現できるよう、社内のオペレーターの評価基準を共有し、センター内でのオペレーターの評価・育成までお願いをしているんです。運営状況やノウハウをシェアしつつ、協働してお客さま対応にあたっています。

― 社内のメンバーに加えて、現在は外部の強力なパートナー企業とも連携して受電をしているのですね。いくつの拠点のコールセンターとやり取りしているのですか?
青柳
現在連携しているパートナー企業は合計で4社です。お客さま満足を意識しつつ会社の目標達成を実現するには、各拠点を綜合したコールセンター全体のKPI※6を注視しつつ、各拠点と密に意志疎通を図り、運用・改善していかなければなりません。これまで以上にコミュニケーションを重視しながら仕事を進めています。
※6 企業活動・事業の進捗が適切に進捗しているかを測る指標・数値目標のこと。Key Performance Indicatorの頭文字をとった言葉で、日本語訳は「重要業績評価指標」。最終的なゴールの達成を測るKGI(Key Goal Indicator)と異なり、目標達成までのプロセスの進捗を測る。

当社で実施している事業や直近の各拠点の運用状況を情報共有できる場として、月に一度はコールセンター4社のご担当者とオンライン会議を設けています。その他、各拠点のご担当さまとは週に2~3回ミーティングを実施し、より細かい進捗確認をしているんです。加えて、急なシステムエラーや温度感の高いお客さま対応が発生した場合は、リアルタイムでお電話でのすり合わせができるように体制を整えています。
当社で一切受電業務をしない訳ではありません。お問い合わせ内容に応じて、お客さまへの適切なご案内を一早くお届けできる受電体制をつくりあげることが、現在の部署の大きな取り組みです。KPIの進捗や入電予測・シミュレーションを当社より提供しながら、通話品質の評価・センター運用の改善点を定期的にすり合わせしています。

― アウトソーシングでパートナー企業さまと連携し、お客さまにとってよりよい対応ができるよう、体制を整えているのですね。委託するようになって、カスタマーサービス内あるいはご自身のはたらき方に、どのような変化がありましたか?
青柳
当社以外でお客さまのお問い合わせにお応えできるようになり、施策の検討やスクリプトの見直しにより時間を割けるようになりました。ハーブ健康本舗の商品を愛用していただいているお客さまが増え、受電が集中すると、社内メンバー全体で対応しなければ間に合わない場面もあったんです。パートナー企業さまと連携するようになり、受電時の課題が解消されたおかげで、中長期的な課題に対する取り組みといったコア業務に集中できています。

お客さまのお問い合わせは、お電話だけではなく、メールやハガキで頂戴する場合もあります。中には、ハガキに「電話をしてください」とご要望されるお客さまもいらっしゃるため、社内で適宜確認しながら、ご要望にあわせて対応しています。中長期的な応対品質の向上を見据え、お電話以外のお問い合わせ対応についての連携も検討しており、委託範囲を随時見直しているところです。
― お話を聞く限りでは、今後さらに協力関係が強固になり、委託内容もより複雑になるのかなと思うんです。パートナー企業さまとやり取りする上で、青柳さんが気を付けていること・取り組んでいることがあれば、教えてください。

青柳
アウトソーシングする上で、業務の目的・手順・イレギュラー対応など、マニュアルにまとめて共有することに挑戦しています。直近は外部拠点向けに、定期購入の内容変更がハガキで依頼された際の処理方法をマニュアル化し、対応する上での判断基準やシステムに入力するときの注意点を整理して共有しました。強力な受電体制で応答率・応答単価の目標を達成するために、業務の標準化に努めます。
また、引き続き各社とのリアルタイムな連携を強化し、より深く意思疎通できるようにしていきたいです。連携の強化と併せて、カスタマーサービス部全体でもっとコア業務に専念できるよう、適切なアプリ・ソフトウェア・システム環境の整備も実現できるよう、情報収集しながら取り組んでいきます。
温度感を伝える能動的なコミュニケーションで採用活動を推進|人事 山川

アウトソーシング事例の3つ目は、たくさんの求職者のエントリーを管理したり、面接の日程調整・対応をしたり、日々忙しくはたらいている人事の仕事です。会社の未来を創る重要な仕事ですが、どのようにアウトソーシングを取り入れ、パートナー企業と協業しているのでしょうか?

人事 山川
2022年11月より入社。バックオフィスの中でも、人事・総務の仕事を兼任している。会社の採用活動・労務管理・組織運営を幅広く支える。
― 求職者の方から、連日たくさんのエントリ―・ご応募をいただいているそうですね。仕事量が増えていることから、人事もアウトソーシングを積極的に活用していると伺いましたが、パートナー企業とどのように連携しているのか、教えていただきたいです。

山川
現在は10~20社ほどのパートナー企業や採用エージェントと業務提携し、主に採用活動に関する業務をサポートしていただいているんです。求人広告の出稿に加え、ご応募いただいた求職者さまの情報を登録・管理したり、面接日時の調整や管理したりなど、定型的な業務を依頼しています。
人事にとってのコア業務は、選考そのものにあります。求職者の方の人生を左右する重大な決断に真摯に向き合いながら、会社の考えとマッチングしてビジョン実現に貢献してくださる方を選考しなければなりません。面談の時間や選考に集中できるよう、定型業務や外注可能な仕事はすべて洗い出し、委託先のパートナー企業に相談の上、連携して業務を進めています。

各社とのやり取りは、全員がログインできる管理ツールを導入し、選考状況の共有をはじめ必要なやり取りをシステム上で一元化して行っています。ツール自体は私が入社するより前…確か5年ほど前に導入したと聞きました。それまでは各パートナー企業とすべてメールでやり取りしていたそうです。管理ツール導入により、各社とのコミュニケーションの精度は上がり、やり取りしやすくなっていると思います。
― 選考・採用情報は社外秘かつ個人情報であり、取り扱いには厳重な注意が必要です。管理ツール導入は、セキュリティが整った環境でやり取りできるのに加え、伝え漏れなどのヒューマンエラーも軽減できるように思います。

山川
選考情報はシステム上で管理しつつ、実働いただくパートナー企業のご担当者さまとは、随時チャット機能を使ってタイムリーにやり取りしているんです。採用活動の方針を大きく変更したり、緊急度・重要度の高い求人のご相談をする際は、オンラインでミーティングを調整して、顔を合わせてお話することもあります。
中でも求人広告からのご応募状況は、当社の採用活動を左右する大事なポイントです。常に情報共有できるよう、各社と定例会を設定しています。ツール上で募集ポジションごとに応募状況を確認し、応募数が芳しくない場合は担当者と協議しながら原因を検討、広告の訴求方法を見直したり出稿を調整したりしているんです。

― 複数のパートナー企業・採用エージェントと連携して採用活動に取り組む上で、メリットに感じることはありますか?
山川
タスクを分散しているので、大切な対応を漏らすことなく遂行できますし、「このタスクってどうなっていますか?」とリマインドしてくださることもあるのが助かっています。また、採用活動に関するプロの方々なので、より専門的な視点でのアドバイスや、採用市場の最新情報を共有してもらえるのがありがたいです。

私たち自身も、採用活動で困ったことがあれば、専門的な知見での改善方法をお伺いするなど、能動的にコミュニケーションをとるよう心がけています。各社それぞれクライアント企業をたくさん抱えている中で、ハーブ健康本舗の存在をアピールし、密に信頼関係を構築しなければなりません。実施する採用の背景や熱意を言葉にして伝え、関係性がより強固になる折衝交渉に取り組んでいます。
― パートナー企業に目指すビジョンや達成すべき目標を共有し、共通のゴールを示した上で連携するのは、どのような仕事においても大事なコミュニケーションです。おっしゃる通り、自ら進んで能動的にやり取りする姿勢が素晴らしいと感じました。

山川
採用する上で、求人する私たちにも譲れない条件・ブレてはいけない信念があります。求職者の想いと会社の描くビジョンがマッチする理想的な採用が実現できるよう、引き続きパートナー企業との積極的なコミュニケーションを意識しながら、効果的な採用活動に励んでいきたいです。部署ごとに採用人数の目標値もあるので、目標達成に向け真摯に取り組みます。
パートナー企業の皆さまとやり取りする際、言われたことを鵜呑みにしてしまうところがあり、自身の折衝交渉上の課題だと感じています。多角的に物事を捉えて、最適解の判断ができるよう、コミュニケーションの仕方をよりよくできるよう頑張りたいです。
アウトソーシングで生産性UP!目標達成に向けパートナー企業との連携を強化
人員・物資・予算・情報・時間…会社で使えるリソースは有限です。最短で目標達成を実現するには、仕事の生産性を高め、得られる成果を最大化する必要があります。その手段として、アウトソーシングは有効な方法です。
ハーブ健康本舗では、当社の価値観を共有した上で、各部署が専門性の高いパートナー企業と協業することで、自社内でのコア業務に集中する時間を創出し、高い成果を生み出して会社の業績に貢献しています。

部署の担当者のインタビューを通じて、ノウハウのマニュアル化やコミュニケーションの仕方を工夫しながら、より強固な信頼関係を築いていることがわかりました。各業界の他社事例・時流といった最新情報の提供、双方でより高い成果を生み出すための専門的な視点でのアドバイス・提案がタイムリーにいただける信頼関係を、引き続き各部署で構築していきたいと考えています。
引き続きパートナー企業の皆さまと連携を強化しながら、お客さまの満足度向上そして会社の目標達成に向け、精進してまいります。
2025.6.30

著者:住吉
2012年にハーブ健康本舗へ入社、以後10年近く社員として在籍。2022年2月より独立し、現在は外部の立場からハーブ健康本舗を見つめ、ブログを通じて情報発信をしている。