競合他社が多い通販業界。厳しい市場環境で、自社ブランドの価値をお客さまの手元にお届けできる、通販のプロとして活躍するには、さまざまなスキルが求められます。

通販のプロに求められるスキルのひとつが、ライティングのスキルです。特に商品購入やサービスのお申込みを誘導するための文章の書き方は、一般的にセールスライティングと呼ばれています。
福岡に本社を置き、全国のお客さまへ健康食品・化粧品などの商品をお届けしている通販会社・ハーブ健康本舗。実は私たちも、セールスライティングの重要性を強く認識し、販促部門をはじめ多くのメンバーが日々スキルアップに努めているんです。

セールスライティングにまつわる会社のマニュアル整備・研修プログラムの構築を日々アップデートする代表・永松に、セールスライティングのなんたるかをインタビューしました。

代表・永松靖浩
ハーブ健康本舗の創始者。自然美容健康茶「モリモリスリム」シリーズをはじめ、美と健康をサポートするオリジナルの健康食品を開発・販売。直近は新たな事業・販路の拡大に注力しつつ、社内体制の強化として、マーケッターや部署リーダーの育成に力を入れている。
ひたすら読む、ひたすら書く…セールスライティングとの出会いと苦難の修業時代
― 2025年8月に、カウテレビジョンさまの公式YouTubeチャンネル TheCowtelevisionにて配信されている「トップリーダー対談 社長室101」に出演された永松社長。その際に、セールスライティングについてお話いただく場面がありましたよね。

>>トップリーダー対談 社長室101<<
>>代表・永松が出演!<<
永松
ハーブ健康本舗の創業時に、自分の手でつくった商品を全国のお客さまに販売するためにはどのようなスキルが必要か…考えた末たどり着いた答えが、「マーケティングをすること」「セールスをライティングすること」の2つだという風に、動画内で話しました。
もともと私は、サラリーマンとして営業の仕事をしていたんです。営業の仕事は対面でのセールス、口頭で販売活動をしていました。独立して会社をつくろうと決めた際、自社で企画した商品を全国的に売るにはどのようなスキルを身につけるべきなんだろうと、考えてみたんです。

たくさんのお客さまに商品をお届けしたいと願っても、自分ひとりで全国各地を売り歩くわけにはいきません。私たちが提供する商品に興味をもっている人を探す作業が必要です。その探す作業が「マーケティング」であり、伝える手段が「セールスライティング」だと考えています。
セールスライティングをわかりやすく言うと、行動を促すライティングだと言い換え可能です。お客さま一人ひとりに直接営業でお話する内容を文章で伝えることで、チラシやネットを通じてセールスをかけられます。どうすれば対面で話しているのと同じように想いが伝わるのか。セールスライティングを学び、使いこなせるようにならなければと、当時固く決意したのをよく覚えています。

― 独立・起業を決意した際に、マーケティングやセールスライティングの重要性に気付かれたのですね。その答えにたどり着くまでがなかなか大変そう…と感じたのですが、起業して事業を軌道に乗せるまでに、どのようなことをされたのですか?
永松
最初は毎日本屋に通って、ビジネス書を片っ端から手に取り、隅々まで読みあさっていました。マーケティングとは何なのか。セールスとは何なのか。そんな文脈で本を探していた中で、「セールスライティング」という言葉が目に入ったんです。セールスをライティングで実践できたらすごいぞ…と思い立ち、そこからセールスライティングにまつわる書籍をたくさん調べました。

同ジャンルの本を複数冊買って、とにかくまずはじっくり読む。この本は本質的に何を伝えようとしているのか、自分の言葉で説明できるレベルになるまで理解するように努めました。
たいていの人は「読んだら終わり」となってしまう方が多いように感じます。私の場合は、読んだ書籍の大事なポイントを、自分なりにレポートにまとめ直すのを繰り返し行いました。理論の次は実践、インプットしたあとはアウトプットすることを繰り返し、自分のものにしようとしていたんです。

本で紹介されているセールスライティングのお手本は、一通りすべて模写をしました。模写を続けていくと、なんとなく構成するイメージが自分の中にできあがってくるんです。そうすると次は、お手本となるセールスレターの構成を意識して、自分が売ろうと思っている商品・サービスだとどのような文章になるか、再構成して何度も何度も、書き直し続けていました。
なぜセールスライティングはビジネスにおいて重要なスキルなのか
― さらっとお話いただきましたが、起業・事業立ち上げでほかにもやらなければならないことが多々あったと思うんです。ひたすら模写し、構成を参考に自分でもライティングをしてみる…すごい執念ですよね。

永松
もともと文章を書くのが苦手だったんです。自分が書いた文章をお手本のセールスレターと見比べると、書き方の癖がいやというほど文章に表れていて…(笑)。直そうと意識して、何度も書いてはみるもののなかなか直らず、最初はものすごく苦戦していました。
ひたすらよい文章を模写して、1年くらいでなんとなく「こうかな?」と分かり始めた気がします。最初につくったダイレクトメールが納得のいく仕上がりになったのは、書き始めてから3か月後でした。やっぱりやり続けないとダメだと思い、自社の商品開発と並行しながら、お客さまに魅力的に感じてもらえるセールスライティングと向き合い続けたのをよく覚えています。

事業を立ち上げて1ヶ月半くらいは、もう徹底して商品ページのセールスライティングに集中していました。朝9時から考え出して、終わるのが深夜12時まで。「これ以上はもう上手に書けない!」と自分で思えるまで、ひたすら文章作成・校正を繰り返しました。
商品販売が本格的にはじまると、徐々に売れたアイテム/売れなかったアイテムがわかるようになります。次に考えるべきは、商品が売れたときのセールスライティングはどのような訴求・文章になっていたかです。販売実績の結果とにらめっこしながら、ひたすら分析・考察を続けました。確かにあの当時は本当に大変でしたが、研鑽した分はいまでもスキルとして自分の身になっていると、自信をもってお話できます。

― 貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます!永松社長は現在、ご自身が培ったノウハウを会社のメンバーにも伝えようと、マニュアル整備や研修体制の強化に取り組んでいらっしゃいますよね?
永松
ノウハウを書き起こしたマニュアルは10年以上前につくっていて、「企画マニュアル」という名称で販促部門のメンバーに研修をしていました。ノウハウは伝えているものの、こればかりは日々反復的に練習するしかうまくなる道がないと思います。社内には熱心に学んでいるメンバーも多く、毎回ハイレベルなセールスライティング力を企画に生かしている猛者が増えてきました。

できるようになりたいという想いがある人は、ちゃんと練習をしているし、ちゃんと成果として表れています。なんとか身につけたい!という強い想い・切羽詰まった状況があれば、人は必ずやるんです。全員が身につけて得するスキルなので、時間を見つけて取り組んでほしいと思っています。
もちろん、会社としてもセールスライティングを学ぶ環境づくりの一環で、これまでのマニュアルを整理したり、新しい研修プログラムを準備したりしています。今期中を目途に形にして、メンバーに共有する予定です。

― 通販のプロがもつべきスキルとして、会社としても学びを推奨しているセールスライティング。本インタビューの締めとして、なぜセールスライティングは大切なのか、永松社長の言葉で回答をいただけないでしょうか?
永松
セールスライティングとは、文字通りライティングでセールスをすることです。セールスの本質は、提案する商品・サービスによりお客さまの抱えている問題や悩みを解決すること。その解決に導く商品やサービスが魅力的に伝わって、はじめてモノが売れます。魅力的に伝わるかに大きく関わっているのが、言葉のちからです。
人間は言葉で思考する生き物だと言われています。私たちが情報を知るのに、言葉は非常に大事なものです。通販事業でセールスライティングができなければ、どんなによい商品・サービスができても、その魅力が少しも伝わらず、無意味に終わってしまいます。

言葉で思考するお客さまに、言葉で価値を伝える。セールスの本質を理解して、ライティングのスキルに生かせれば、ビジネスのさまざまな場面で応用ができます。会社としても学びを後押しできるように、しっかり整備を進めていく所存です。
セールスライティングを身につけ、お客さまに価値をお届けできる通販のプロに!
年商180億円という高い目標を掲げた3ヶ年計画。達成か否かのジャッジまで、残り1年ほどにまで迫ってきました。
たくさんのお客さまに、ハーブ健康本舗の開発ノウハウを注ぎ込み、メンバー全員の想いを込めた商品をお届けしたい。ブランドの価値を伝える上で、セールスライティングは必須のスキルです。ハーブ健康本舗の創業者である永松のインタビューから、“行動を促すライティングスキル”を学んでいく大変さと大切さを、改めて実感できました。

メンバー一同、お客さまに喜んでいただきたいという原点を忘れず、セールスの本質に立ち返り、魅力を伝えるスキルをしっかりと身につけていきます。


著者:住吉
2012年にハーブ健康本舗へ入社、以後10年近く社員として在籍。2022年2月より独立し、現在は外部の立場からハーブ健康本舗を見つめ、ブログを通じて情報発信をしている。