ビジネスパーソンに求められる思考法のひとつがロジカルシンキング(論理的思考)。問題解決・意思決定・コミュニケーションといった、さまざまな場面に有用な基礎スキルとして知られています。

情報があふれかえっている現代市場において、ロジカルシンキングが身についていれば、どこに課題があり、解決する上で何が必要なのか、適切に導き出すことが可能です。生成AIの台頭により、プロンプトで正しく指示をする上でも必須のスキルとして、ロジカルシンキングの重要性が見直されています。

効果的・効率的な業務推進・円滑なやり取りを実現する上で、ロジカルシンキングを重視しているのは、ハーブ健康本舗も同様です。EC/通販業界で仕事をする上で求められる論理的な思考というのは、一体どのようなものなのでしょうか?

本記事では「ロジカルシンキング」をテーマに、ハーブ健康本舗が考える論理的思考の重要性について、経営者・採用人事の立場からそれぞれ解説します!会社全体で取り組んでいるロジカルシンキング向上の取り組みもご紹介させてください。

EC/通販事業における重要スキル「ロジカルシンキング」とは?

一口に「ロジカルシンキング」と言っても、ビジネス書籍・メディアにより解釈はさまざま。具体的には、どのような思考を指す言葉なのでしょうか?

ハーブ健康本舗が考えるロジカルシンキングを知るべく、経営者であり会社のトップでもある代表・永松にインタビューの時間をもらいました。

代表・永松靖浩
ハーブ健康本舗の創始者。健康食品や化粧品の開発・販売に取り組みつつ、直近は新たな事業・販路拡大を実現すべく、社内体制の強化としてマーケッターや部署リーダーの育成に力を入れている。

― 「ロジカルシンキング」とは何なのか、社長のお考えをお聞かせください。

永松
ロジカルシンキングは、日本語に訳すと「論理的思考」です。分かりやすくいうと、物事を順序立てて考える・説明する力だと考えています。

特にEC/通販事業は、お客さまにわかりやすく魅力的に伝えることが大事です。商品のことを知らないお客さまに何をどの順番で、どのように伝えれば商品価値・私たちの想いが伝わるのか…マーケッターはひたすら考え続けています。広告企画・クリエイティブ制作の流れはまさにロジカルシンキングそのものです。広告での主張に一貫性がある上で、ターゲット像にあったトンマナがハマれば、いわゆる“売れる広告”となります。

※トーン&マナー。読み手に信頼感を与えたり世界観を統一したりするのに役立つ、デザインにおける配色や文体、雰囲気の総称。

もうひとつ、仕事はひとりでやっている訳ではありません。チームではたらく上で、全員がプロジェクトの目標・目的・プロセスを理解することは非常に重要です。新しく加わったメンバーに対して、どのような内容・順番・伝え方を意識すればわかりやすく伝わるのか。広告づくりと同様、組織づくりにもロジカルシンキングがおおきく関わっていると考えています。

― 解説していただくと、EC/通販事業においてロジカルシンキングが超重要であることが理解できます。社長ご自身は、いつ頃からロジカルシンキングの重要性に気づかれたのでしょうか?

永松
創業時から重視していましたね。最初はひとりでマーケティングやライティングに取り組んでいましたので、EC/通販の仕事を通じて論理的にわかりやすく考え表現する難しさと重要性は、嫌というほど痛感したものです…。お客さまに魅力が伝わらない商品は、この世に存在しないのと一緒。実態がよくわからないものに、お客さまはお金を使いません。事業を軌道に乗せる上で、わかりやすく魅力的に伝えるための技術を磨くのに、ものすごく苦労をしました。

制作物の目的やゴールを事前に明確化した上で、お客さまが抱えているお悩みや欲求が何か、その問題の原因は何か、問題を解決する商品の機能性は何か…主張に一貫性があり、ロジカルにわかりやすく説明できたとき、ようやく人の購買心理が刺激されます。EC/通販業界で仕事をする上で、どんな仕事でもこの理解は必要です。ロジカルシンキングを意識した広告づくりの基礎は、社内で作成しているマニュアルにすべて落とし込み、全員に共有しています。

マニュアル整備はだいぶ進んでおり、日々の業務でマニュアルを活用して仕事したり、コミュニケーションしたりする場面が増えてきました。中でも結果目標制度は、個々の目標・ゴールと達成に向けたプロセスをシートにまとめる過程で、ロジカルシンキングで文章を書くことにより、メンバーの思考力が鍛えられているように思います。

最近は「新商品の企画提案フォーマット」をつくったのですが、これもロジカルシンキングを意識して作成しているマニュアルです。誰もがヒット商品を確度高く提案できるよう、何をどのような順番で考えて商品を生み出しているのか、明確に可視化しました。商品開発や販売部署で提案するときに使ってもらうフォーマットとして、どんどん活用してもらう予定です。

― 論理的思考での物事の考え方をベースにマニュアル化し、社内の共通言語として運用しているのですね。組織へのはたらきかけを進める中、現状はどの程度、会社全体にロジカルシンキングが浸透したと見ていらっしゃいますか?

永松
社内はかなりロジカルシンキングのレベルが高いです。入社して数年経過しているメンバーは、報告・提案時の話し方がどんどん上達する人が多いので、傍からみていて成長しているなと実感します。課長以上の役職者になると、部署内で指示を出したりパートナー企業のご担当者さまと折衝交渉したりする機会が増えてくるので、より論理思考を磨いていってほしいですね。

近頃は生成AI研修で全員でプロンプト作成の基礎を学びましたが、これもまさにロジカルシンキングです。生成AIを使いこなすのが当たり前の時代だというのは、生成AIを適切に活用できるだけのロジカルなプロンプト・指示文を導き出せるかが問われている時代だ、と言い換えられます。会社全体で精度を高めていけるよう、会社としても引き続きアプローチを続けていきたいです。

社内コミュニケーションに採用現場でも重視!組織で活かされるロジカルシンキング

会社としてロジカルシンキングを重視する姿勢は、組織づくりや採用の現場に色濃く表れています。

会社の中長期的な戦略を踏まえ、メンバーが自発的に成長できる教育制度・労働環境の整備や、組織力向上を実現するための採用活動に日々邁進する人事部門。リーダーを務める萬治に、ロジカルシンキングについてインタビューしました。

人事 萬治
2010年11月に入社。ジョブローテーションでさまざまな企画部署の仕事を経験し、現在は人事として組織づくりに関わっている。

― 社内外の“人”との関わりが強い人事部門に所属している萬治さん。仕事を通じて、ロジカルシンキングの重要性を感じる場面はありますか?

萬治
はたらいているメンバーの話を聞く中で、部署間で連携したりチーム内で協力してプロジェクトを推進したりするのに、論理的にわかりやすく伝えるスキルがとても重要だと実感しています。通販事業はたくさんの部署が協力して成り立っているので、その分コミュニケーションエラーが起こりやすく、致命的な影響が出ない正確なやり取りが必要です。

ロジカルシンキングは、社内とのやり取りはもちろん、社外のパートナー企業さまとの連携であったり、マーケティング領域であったりと、活かされる場面が多岐にわたるスキルだと思います。ハーブ健康本舗の代表である永松社長ご自身が、これまでずっと人に伝えることを考え抜いて実践してきた方なので、マニュアル・ノウハウからわかりやすく伝える技術を受け継ぎ、私も含め社内全体でいま以上にロジカルシンキングを磨いていきたいです。

ハーブ健康本舗では、目標を明確にして、いつまでに何をしないといけないのかを論理的に整理しながら事業を推進しています。仕事の進め方自体がロジカルで、最短距離で実現する方法を検討したり、優先順位を考えて行動を組み立てたりする経験を通じて成長している方が本当にたくさんいらっしゃるんです。

― 他部署との面談の機会も多いかと思いますが、直近でメンバーの成長を実感したエピソードがあれば教えてください。

萬治
定期的にメンバーと面談する中で、ここ最近でグッと話し方が論理的になった方がいて。気になって上司の方にヒアリングしたところ、対面で時間をとって、報告・提案の反復練習を行い論理的に伝える練習をしていたことが分かりました。他部署である私からみて変化を感じるぐらい努力をされたのだと、とても感動したのをよく覚えています。

また、人事は各部門の皆さんから提出された改善提案をみる機会があるのですが、課題・原因・解決策に一貫性があって分かりやすく、特にここ数年でハイレベルな提案が増えているのを実感しています。ロジカルシンキングを身につけ、自身の仕事に活かしている方が着実に増えてきているので、人事としても職場環境整備の視点でできることを模索していきたいです。

― 社内へのアプローチについて貴重なお話を伺いました。採用活動による組織づくりについても伺いたいのですが、社内でロジカルシンキングを重視するのと同様、面接・選考でもロジカルシンキングを採用基準として重視しているのでしょうか?

萬治
ロジカルシンキングは採用を決める基準のひとつであり、求められるレベル感が年々上がっています。当然ですが、面接で初めてお会いする求職者の方のことを私たちは深く知りません。履歴書くらいしか事前情報がない状態で、相手にどれだけわかりやすく自身のことを話せるか、魅力的に感じさせるか。ロジカルシンキングの真価が問われるのではないかと思います。

実際に面接の場に出ていると、緊張をしつつもこちらの質問の意図をくみ取り、丁寧にわかりやすく回答してくださる方がたくさんいらっしゃるんです。前職のお話を聞かせていただく際、私たちの理解が浅い専門領域を、専門用語を使わずかみ砕いてお話してくださる方の面接をしていると、相手に伝えるスキルが高い方だと感じます。

ロジカルシンキングを図る選考過程として、簡単な文章を作成するテストを面接と並行して実施しています。特定のシチュエーションを設定し、説明した後その場で実際に文章を書いていただく内容です。5W1Hを意識した具体的な表現や、主張の結論・理由が伝わる書き方を、制限時間までにどこまでわかりやすくまとめられるか。いざ自分で書こうとすると難しく、論理的思考でのアウトプットが問われます。

いまは生成AIで簡単に文章が作成できる時代ですが、だからこそ、この文章作成テストは重要な意味があると考えています。セールスライティングはお客さまに情報を伝えて購入いただくものです。読み手の購買心理を刺激できる文章を、自分の頭で組み立てて構成できるかどうか。EC/通販業界でマーケッターとして活躍するには、やはりロジカルシンキングの力が大切です。

会社全体でロジカルシンキングを浸透させる取り組み

論理的にわかりやすく伝えることを重視しているハーブ健康本舗。会社として実践しているはたらきかけ・取り組みから、より深くロジカルシンキングを浸透させるものを2つご紹介します。

1.会社の思いをロジカルに言語化して伝える「フィロソフィーブック」

ハーブ健康本舗では、会社の基本的価値観を『フィロソフィーブック』という冊子にまとめ、全社員に配布しています。

企業として持続的に発展・成長し、掲げたビジョンや目標を達成していくために、1998年の創業当時からずっと大切に考えてきた会社の根底にある価値観の数々を言語化。全社員が体現すべき信条・行動指針、社内ルールとして共通の認識をもてるよう、明文化して配布するようになりました。

会社の価値観・ノウハウを徹底的に言語化する姿勢は、ロジカルシンキングを重視するハーブ健康本舗の特徴のひとつ。全メンバーが共通言語でコミュニケーションできるよう、重視すべき考え方はすべて論理的にわかりやすくまとめています。詳しくは以下の記事にまとめていますので、宜しければこちらもご覧ください。

また、クレド(行動指針)の項目のひとつに、【論理的に分かりやすく】があり、ロジカルシンキングを重視したやり取りについて言及しているんです。併せてご紹介します。

【論理的に分かりやすく】
自分の意見を「論理的」に分かりやすく伝える工夫をする

プロのビジネスパーソンは、自分がどう言ったかではなく、相手にどのように伝わったかを重視します。自分の意見を述べるときには、「○○についてはこう思います。なぜなら○○だからです。」と結論を先に述べ、次にその理由の順番で述べます。また、5W1H(いつ、だれが、どこで、なにを、どのように、なぜ)を使いこなし、相手に分かりやすく伝わるよう工夫をします。

2.日々の進捗・相談事項を文章でわかりやすく伝える「日報制度」

ハーブ健康本舗に所属しているメンバーは、業務終わりに日報を提出して退勤します。記載内容・提出方法は部署により微妙に異なりますが、実施したタスク・明日以降の予定・確認事項や相談事項を文面にまとめ、部署の責任者に提出するのが基本的な運用方法です。

進めているプロジェクトの進捗を正しく共有したり、発生した課題点を明確にした上で相談したりと、部署内コミュニケーションの重要な役割を担っている日報。文章で的確にホウレンソウをこなす上で、論理的に分かりやすく伝えるスキルが求められます

日報の内容は部署ごとに適宜確認し、必要に応じてフィードバックの時間を設けるなど、ただ提出して終わりにするのではなく、部署内のコミュニケーションを通じてロジカルシンキングを鍛えられる、会社の取り組みとしても機能しています。

さらに、各部の責任者・役職者の日報は、全部署の責任者・役職者が全員確認できるように運用しています。横に長い組織形態の通販事業において、部署間の連携は必須です。全員がロジカルシンキングを意識して、明瞭かつ正確な日報上のコミュニケーションを心がけています。

ロジカルシンキングを磨き、ビジネスの現場に生かす!

ビジネスパーソンに求められる重要なスキル「ロジカルシンキング」。ハーブ健康本舗がなぜ論理的に分かりやすく伝えることを大切にしているのか、会社としてどのような取り組みを行っているのか、ご紹介させていただきました。

商品をご愛顧いただいているお客さまに私たちの思いをお届けする上で、わかりやすく魅力的に発信するロジカルシンキングは不可欠であり、スキルの熟達度が事業の成功を左右します。また、プロジェクトをともに進めてくださるパートナー企業の担当者さま、一緒にはたらく社内のメンバーとのコミュニケーションを円滑にできる点も、ロジカルシンキングの重要なポイントです。

引き続きハーブ健康本舗では、ロジカルシンキングのスキルを磨いてまいります。会社としてはもちろん、部署ごとに取り組んでいる実践例もたくさんあるので、またご紹介させていただきます!

2026.3.19

著者:住吉
2012年にハーブ健康本舗へ入社、以後10年近く社員として在籍。2022年2月より独立し、現在は外部の立場からハーブ健康本舗を見つめ、ブログを通じて情報発信をしている。