通信販売という業務上、私たちハーブ健康本舗(以下ハーブ)の社員は、直接対面でお話をする機会がほぼありません。そんな中、提供する商品・同梱物・サービスを通じて、リピーターのお客様と向き合い、各種販促やコミュニケーション企画を立案・設計・具現化しているのが【CRM企画】の部署です。

「CRM」はCustomer Relationship Managementの略であり、直訳すると「顧客関係管理」となりますが、“管理”と一口に言っても具体的にどういった仕事なのか?言葉だけではよく分からない…。また、ネット等で調べると、顧客管理の手法や提供するサービス内容、メール・キャンペーン等、様々な話題がCRMとして語られており、意味合いが広い言葉であるように感じます。

ハーブにおけるCRMの企画職とは、具体的にどのような仕事をしている部署で、どのようなスキルが求められるのでしょうか?今回は、ハーブのCRM企画で部長を務める岩下と、セクションチーフとして業務を推進する藤井に突撃取材を敢行、ふたりへのインタビューを通じて、ハーブのCRM企画をご紹介していきたいと思います。

写真左が岩下
右が藤井

岩下:CRM企画の部長。部署メンバーをまとめ導く、頼れるお姉さん。
藤井:CRM企画のセクションチーフ。第一線で数多くの企画をこなす実力派。

そもそも「CRM」っていったい何なの?

― CRM企画の仕事について色々と伺いたいのですが、その前に「CRM」ってそもそも何なんでしょう?ネットで調べると色々な説明が出てくるので、分かりにくい言葉だなと感じています。

岩下:
確かにCRMに対する見解はいくつもあって、人によって答えが変わりますが、日本語に訳すと「顧客関係管理」ですね。お客様を“管理”するっていうと、機械的で事務的な印象があるんですが、私は「お客様との関係性をどうつくるか」がCRMであると考えています。ハーブのCRM企画に入社した方に実施するレクチャーの中で、「CRMとは何か」というのがあるんですが、この話をするときは、恋愛に例えて説明しています。

― 恋愛ですか?ちょっとご指南お願いしてよいですか?恋愛に疎い(うとい)私でも分かる範囲でお願いします…(笑)

岩下:
通販の流れを恋愛に見立てるんですけど、たとえば広告で新規のお客様に初めて自社の商品をご注文いただくのが出逢いの段階だとしたら、CRMはお互い好きになって恋愛して、一生一緒に添い遂げるまでの関係性を作っていくことなんだ、と話しています。まずは自分がどういう人であるかを伝えて、好意をもってもらったり、信頼関係を築いたりすることから始めて、その内何度かデートに誘って、好きになってもらう。時には喧嘩したり落ち込んだりすることもあるけど、相手のことを気遣って励ましたり、あるいは楽しさや感動を一緒に共有したりしていく中で、この人と一緒になろうと決めるのが通販でいうところの「定期購入」だと思うんですね。

― おお、確かに好きになってからパートナーになるまでの、恋愛の流れですね。

岩下:
もちろん一緒になると決めたらそれで終わりではなくて、関係性が続くように気遣いをしながら「この人と一緒で良かった」と幸せを実感していただくのがゴールだと思うんです。ゴールまでの道のりを通販に置き換えて、どのタイミングでどのようなツールをお送りするのか、マンネリ化して飽きないようにどういうアプローチをするのか、っていう感じで考えていくことで、お客様との関係性を構築できる企画が立てられるということを伝えています。

藤井:
僕も入社時にレクチャーを受けました。実務する上でとても役に立っていて、例えば定期で長く続けて頂いているお客様は、既に会社や商品のことを信用し満足頂いているので、急に突飛なことをするとビックリされてしまうし、逆に長いことご連絡がないお客様は、刺激のあるアプローチをしないと振り向いてもらえない。実際に企画の実務にあたる上で、お客様の状況や状態を考えたプロセスで効果が全然変わるということを実感します。

― なるほど。恋愛に置き換えることで、相手の気持ちや状況を察し、相手にあった対応や表現が大事だという通販の鉄則がスッと理解できるように感じます。お客様との関係をつくっていくことがミッションであるCRM企画は、具体的にはどんな仕事をする部署なのでしょうか?

岩下:
一言で言えば、リピーターのお客様への様々な企画の立案・設計・具現化ですね。

藤井:
そうですね、まずはお客様向けのキャンペーンの企画。これはお客様がご注文いただいている商品がモリモリスリムシリーズなのか、シボヘールシリーズなのか、はたまた100年健康源シリーズなのかによって、内容を分けています。また、お客様が長年ご愛用いただいている方なのか、半年に1回の頻度でまとめてご注文される方なのか、お客様の状態に合わせた内容・タイミングのキャンペーンの企画を行っています。

岩下:
キャンペーンの他にも、ただ買い物していただくだけじゃなく、楽しんでもらえるようなお客様へのプレゼントやノベルティの企画を進めたり、お客様の手元に届く同梱物の一式を作成したりすることも私たちの仕事です。あとは、お友達にたくさんご紹介していただけるような企画を考えたり、諸事情で定期購入をストップしていらっしゃるお客様向けにアプローチできる方法がないか考えたりしています。

― 幅が広いですよね。まず一口にキャンペーンといっても、お客様が愛用されている商品や直近の購入状況によってグループ分けし、それぞれに最適なキャンペーンやツールをご案内するとなると、合計でどのくらいの企画数になるのでしょう?

岩下:
キャンペーンに絞ると、現状は年間40~50本くらい企画をたて、具現化していることになりますね。

― そんなに!これにプレゼント企画や同梱物の作成もあると思うと、相当ボリューミーですね。「すごいの出そう」を理念にしている会社として、まさにすごい量出ているなと感じます。

CRM企画ならではのジレンマ。お客様に喜んでもらうためにホントは○○したい…

― ハーブでは毎月の季刊誌として[スッキリライフ]を発行していますが、私個人的にこの冊子を毎月熟読してて、料理コーナーの写真をとったり漫画を読んだりしているんですよ。これもCRM企画でつくっているお客様向け同梱物のひとつですよね?

藤井:
はい、その通りです。このスッキリライフは「お客様に役立つ情報をお届けして自分たちのことを信頼してもらい、関係性をつくった上で、紹介した商品を手に取ってもらう」ことを目的としているツールです。毎月テーマを決めて、お客様の生活をより良くすることができる情報を紹介し、そのテーマに関連する商品の特徴や開発時の想いを掲載して、「こんな商品もあるんだ!」「使ってみたいな」と感じてもらえるように制作しています。

― 具体的にはどのような手順で出来上がるのでしょうか?

藤井:
まずは記事を読んでもらうお客様像を明確にして、この時期どんなことに関心が出たり悩んだりするのかを考えるところから始めています。モリモリスリムシリーズを愛用している方ならこんなことに興味があるんじゃないか、シボヘールシリーズを愛用している方ならこんなことが気になるんじゃないか、と考えて、その月に取り上げるトピックスを決定します。中身ですが、毎月の特集記事として、季節に合ったトピックスを2つ取り上げて紹介する構成となっており、他に季節の素材を使った料理ネタ、お買い物時の不安を解消するQA、商品一覧といったコンテンツを掲載しています。メインは2つの特集ですね。毎月出すものなので、季節感のあるトピックスを選ぶよう心がけています。実際にライティングし、チェックと修正を繰り返しながら、最終校正し入稿、という手順で進めています。企画から完成まで、1ヶ月半くらいの期間で取り組んでいます。

― 情報がたっぷり詰まったスッキリライフですが、作る上でのこだわりのポイントはありますか?

藤井:
そうですね、お客様だったらどう感じるか…と考えて、お客様が自分事だと思ってもらえる記事づくりを心掛けています。お客様が抱えているお悩みに対して何か解決策を提示するような記事の時は、お客様が無理なく取り組める対策で、かつあまり認知されていない、興味をグっと引くものを検討して紹介するようにしていますね。内容もそうですし、文章表現も十分配慮し、お客様が使う言葉遣いを意識して、自分事に感じやすいような記事をつくるように気を付けています。

岩下:
藤井さんの言う通りで、お客様が「面白い!また読みたい!」と感じてもらうには、何のトピックを選ぶか、どういう表現をするか、お客様視点で決めることが重要です。紹介する商品の印象も左右しますしね。

― お客様視点がちゃんと身に付いていないと出来ない仕事ですね…。ツールづくりのこだわりをもう少し掘り下げていきたいのですが、リピーター様向けの様々な企画を進める上で、他にこんなところにこだわっている、等ありますでしょうか?

岩下:
販促のツールをつくるときは、「売る」ためのツールではなく、「買ってもらう」ためのツールをつくるように心がけています。売り込みに来られると、人はそっぽを向いてしまうものなので、いかに関心があるお客様に「求めている商品やサービスはここにありますよ!」って気づいてもらえるか、ここが難しいところです。特にキャンペーンハガキ等は見ずに捨ててしまう場合も多いので、関心をもっている人に着実に気づいてもらえて、かつ楽しく買い物いただけるよう、想定しているお客様がどのような方なのか明確にイメージし、そのお客様が何の商品を愛用していて、最近はどういうご注文状況なのか、タイプ分けし内容を変えて企画をたてています。

藤井:
ここにジレンマがあるんですよね。本当はお客様ひとりひとりが違う状況で、嗜好や考えも違うのだから、ご案内するツールやキャンペーンもひとりひとり違ったものを届けたいんですよね。それが一番お客様に響くものになるから。ただ、現実問題、何万もいるお客様に個別にキャンペーンを実施できるかというと出来ないので、もどかしさを感じたりもします。

岩下:
人手の問題もあるし、費用対効果の視点でも考えないといけないからね。

― 「ジレンマ」という言葉はすごく印象に残ります。最初の恋愛の話にも紐づきますが、1対1でのコミュニケーションを究極の理想としながらも、身ひとつで何万ものお客様を相手にする現実の業務形態とのギャップをいかに埋めるか?CRM企画の難しさ、面白さがここにあるように感じます。

今回はここまで!

今回はCRM企画の業務内容に焦点を当てましたが、次回の記事では、登場した岩下・藤井の仕事に対する想いや、CRM企画として働く上での価値観を浮き彫りにしてみようと思います。

お客様とのすべての接点に関わるCRM企画。幅広い仕事量をこなす中で、どんなことを考えているのか、何をモチベーションにしているのか…ふたりの言葉を通じて、ハーブのCRM企画で働く流儀をお伝えできればと思います。

【CRM企画】の仕事についてはコチラもご覧ください。

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