人材開発制度にもある通り、ハーブ健康本舗では「透明性の高い評価」と「個人の確かな成長」を実現するため、徹底した目標管理を実施しています。

社内で「結果目標」と呼ばれるこの目標管理制度。実を言うと、目標管理の徹底ぶりが割と“ブッとんでいる”んです…。

ぎっしり書かれた管理シート、毎月トータル13時間かけての共有MTG…。「結果目標」管理の知られざる実態を、様々な視点で解剖・公開したいと思います。

「結果目標」とは?管理シートのひな形も公開します

ハーブ健康本舗で運用している「結果目標」は、部署・個人の実績や成果に関する目標、また実績や成果を出すために何をやるべきかを言語化した目標のこと。中長期的な経営戦略をもとに立てた全社目標に対し、各部門で何をすべきか、部署の目標を達成するために個人が何をすべきか、半期に一度設定して取り組んでいます。

会社目標をベースに
部署・個人の目標を設定

各部署では、会社から課せられたミッションやKPIに基づき、売上や費用対効果に関する「定量的な目標」と、組織体制や行動に関する「定性的な目標」を設定します。実績や成果(数字)と成果に至るプロセス(行動)をバランスよく評価することが狙いです。

また、個々人の結果目標では、部署の結果目標に沿った業績目標と一緒に、成果を出すために必要なスキルの目標「業務完遂・拡大目標」を設定します。ひとりひとりが担当業務を完遂し、かつ自分で出来ることを拡げるために必要なスキルを身につけられるよう、半期に一度目標を決めて取り組みます。

百聞は一見に如かず!下記に掲載しているのが実際に使用している管理シートの実物です。

この結果目標管理シートに
必要事項を記入します

シートの一番上には各部署のミッションとやるべき業務が明記され、常に振り返りができる状態にしています。その下に半期の目標(業績目標/スキル目標)欄を設け、各月で目標達成に向けて具体的にどう取り組むかのプロセスを記入します。

半期末までの目標と
目標の管理方法を記入する欄

シートの左側は、半期末までの結果・責任として、どういう状態にするかを記載する欄があります。具体的には「何を」「いつまでに」「どのような状態」にするか、目標の到達度を測るために「いつ」「どのような方法で」判断するのか、という項目に沿って、目標を立てていきます。

目標設定シートに書く要素がフォーマット化されているので、目標設定時に何を決めればいいか、明確になっています。

目標達成に向けた取り組みの
進捗や課題を記入する欄

目標達成に向け問題がないか、月に2回(15日時点と月末に)進捗の記載をします。進捗の遅れや目標到達を妨げる課題と、遅れや課題に対する解決策を記載する欄を設け、行動が軌道修正できるようにしています。

これを全部埋めると…。

実際に運用している結果目標シート
※社外秘のためモザイク加工済

こんな具合にビッシリ!部署・人によっては目標が4〜5つある場合もあるので、書くだけで日が暮れてしまいそう…(笑)。もちろん日々の業務と調整しながら、時間をみて目標設定や進捗記録をやっていきます。

潜入!「結果目標MTG」の実態を初公開

各部署にて設定された結果目標の達成度合いは、月に1度の「結果目標MTG」で確認します。代表の永松と経営企画、各部署の責任者が集まり、結果目標シートをもとに進捗確認、今後の方針を議論します。

本来は会社の数字を扱う社外秘の会議。ですが今回は特別に、WEBの広告メディア部門の結果目標MTGへ参加させて頂くことになりました。取材者もちょっとドキドキ…。

左が責任者の岡田
右奥が経営企画の瓜生、手前が永松

会社の命運を握っているWEBの広告部門。緊張感のあるピリッとした雰囲気の中、真剣な議論が進みます。

特筆すべきは数字へのストイックさ。費用対効果(いくらの広告費で、どのくらいの成果を出したか)の視点で、代表の永松に対し、責任者の岡田が進捗を報告します。

シートの項目順に
数値報告をする岡田

永松「この施策、採算は合う?」
岡田「施策単体では合わないように見えますが、この施策には副次効果が想定できます。副次効果まで含めて考えると…」
永松「費用面はそうだけど、成果がどれだけ出てるかが分からないと…」

身を乗り出して説明する岡田
議論に熱が帯びていきます

遠回しな言い方はせず、言うべきポイントを率直に伝えている印象を受けます。ただ策を実行するだけでなく、具体的な数値でどの程度成果が出ているのか、明確な議論が進行します。

経営者視点でフィードバックしつつ
WEB広告部門の報告を受ける永松

施策の実施スピードについても言及されていました。

瓜生「この施策はいつ頃に実行できるんだっけ?」
岡田「いまパートナー企業の方と連携して情報収集していて…」
永松「これは先行者メリットが重要なんだよね。死ぬほど考えて、まだ他社がやっていない、今までにない新しい施策を考案して、スピード感をもって推進してください」

顧客視点で練られた斬新なアイデアを
最速で具現化することが重要!

「圧倒的スピードで行動する」ことは、ハーブの行動指針のひとつ。どの会社よりも早く、いち早くお客様に価値を届けることを信条にしています。結果目標MTGでも、その姿勢を感じることが出来ました。

永松と瓜生は、この結果目標の進捗確認を、月初に全部署分実施しています。時間にしておよそ計13時間…。横に長い組織で部署数が多いため時間はかかりますが、会社全体の動きを把握し、各部署の成長支援と正当な評価を実施する上で、結果目標MTGの時間を大切にしています。

ちなみに、部署目標の進捗確認と並行し、メンバーが個人で設定した目標の進捗確認も行われます。メンバー分は各部署の責任者が日程調整し、個々が作成した結果目標シートをもとに、目標達成度を確認、課題解決や改善に向けた取組について話しています。

結果目標について、社員はどう思っている?

シートに細かく書き出し、密に振り返りをしながら管理しているハーブ健康本舗の「結果目標」制度。傍からみると、日々の業務をこなしながらの目標管理は結構大変なのでは?と思えてきました…。

社員はこの目標管理の制度をどのように捉えているのか…気になったので、急遽社内アンケートを実施!結果目標に対して率直にどのように感じているのか、調べてみました。

アンケート結果を、4つのテーマに沿って、抜粋してご紹介します。

目標・取り組みが明確で具体的になった

シートで目指す目標とプロセスを明記することにより、自身のやるべきことがしっかり把握できる点を良いと感じる意見が多く寄せられました。

■ 最終のゴールが明確であることと、そのために毎月何をしたら良いのかを細かく設定しているので、目標達成のためにどのように行動していけばよいのかわかりやすくやりがいがあります

自分が成長するためにはどの目標を達成すればいいのか明確化されているので、分かりやすいです。つい日頃の業務に集中してしまうと半期がすぐに終わってしまうのですが、1か月に一度、部署責任者と進捗について話をする時間があるので、自分の目標の遅れや次にすべきタスクについて意識することができています。

■ 進捗率と、判断基準が明確になっている点がとてもよいと感じます。達成未達成が明確であり、かつ、自分が何をすべきかが迷わないからです。

社内アンケートの結果より抜粋

少し違った切り口の意見で、目標を明確にすることで後々自身の成長過程が振り返れることに言及してくれたスタッフもいました。

■ ハーブに入社して「結果目標」という仕組みを経験していく中で、過去の分を見返してみると【あの時こんなことを目標にしていたのか、それでそれがいつできるように(わかるように)なったのか】と成長の過程が記録されていくのが少し面白かったりしました。時々初心を振り返る時も役立つ気がしています。

社内アンケートの結果より抜粋

環境変化に対して柔軟に対応する必要がある

市場変化が激しい通販業界。変化に対して柔軟に対応しようとすると、会社の目指すべき目標が期の途中で変わることもよく起こります。目標変更により、各部署での具体的な取り組みや評価にも影響するため、戸惑ってしまうという声が寄せられました。

期の途中で目標としていた施策が出来なくなったり、新たな課題によって優先順位が変わったりした際に結果目標の見直しや変更が必要になることが多く、それによって評価に反映しにくくなる業務や目標が出てくる。

■ 期の始まりに設定した課題と現状が大きくずれた場合の修正ができず、現状の業務と結果目標で定めた目標のどちらを優先すべきか迷うことがある。

社内アンケートの結果より抜粋

環境変化を見越して、期初に設定した目標や取り組みに柔軟性を持たせる仕組みを構築できないか、という意見も。今後の制度改善のひとつの切り口になるかもしれません。

■ 期初にプロセスを記入するため、その後の社内の優先度によっては、大きく変わることがあるので、もう少し段階的に設定しても良いのではないかなと思います。

■ 半期という期間の中で自身ないし会社を取り巻く環境が変わっていることが多いので、もう少し柔軟に、「今」すべきことにコミットできる仕組みだと良いと感じます。

社内アンケートの結果より抜粋

振り返りの場で、達成に向け目標管理できる

部署の上司と定期的に進捗をすり合わせできる点に魅力を感じる意見も多く寄せられました。

■ 『月に1回は必ず、部責長との進捗確認の場が設けられる』という点が良いと感じています。期の最初に一度目標を決めるだけで終わってしまうと、日々の業務に追われてどうしても忘れてしまうし、「目標を決める」ことが目的になってしまいがちだと思います。しかし月1回振り返りの機会があることで、その度に目標を意識し直すことができますし、次の1ヶ月にやるべきことも明確になるため、日々の業務へしっかり反映することができます。

■ 今の現状を振り返り、それを月1回上司とすり合わせられるので良い。できていないところ、できているところ、できていない場合の要因を上司と一緒に認識をすり合わせできる。

■ 月に最低一度は進捗確認の場が設定されているので、自分から見た進捗と、上長から見た進捗を確認することができ、目標達成をしやすい環境ができていると思います!期が終わってからこれがダメだったねと言われても納得はいきませんが、期の途中で指摘され、修正が可能な状況で残りの日数を過ごすことは、個人の成長としても非常に良いと感じています。

社内アンケートの結果より抜粋

自分視点だけでなく、上司の立場で客観的に意見をもらいながら、目標の軌道修正や取り組みの見直しができ、自身の成長にもつながる点が理由のようです。

■ 軸がぶれないように、達成に向けた方向性の微調整やコントロールが、月に一回のタイミングで機会が設けられていることは、仕組みとして優れていると感じます。

社内アンケートの結果より抜粋

部署ごとの基準や運用の違いを考慮するには

各部署のミッションや業務内容が異なるため、設定される目標も当然異なります。目標の達成基準や運用方針をどこまで統一し、どこまで柔軟性をもたせるべきか。アンケートの意見から基準や運用に関する課題も見えてきました。

■ 各部署やることが異なるため仕方ないと思いますが、レベル感が同じ目標になっているのかの精査が難しいのではと感じています。

■ 半月ごとの振り返りという運用は部署によっては難しいと思います。細かく管理しようとしすぎて管理できないという状況に陥りやすいかと思いますので、設定する目標の数をもう少し減らしたり、シンプルにして運用するほうがいいと思います。

社内アンケートの結果より抜粋

課題がある一方で、メンバーごとに目標がある現状がプラスに働く面もあるようです。

■ メンバーの目標も知ることができるので、手助けを相互にしやすい環境になっています。前職では数字を達成することだけを目標にあげられていて、何をすれば数字が達成できるのかわからず、焦りだけが残り、結果として達成できなかったときにすごく落ち込んでいたので、自分が一歩ずつ前進していると分かるシステムは分かりやすい制度だと思います。

■ 部署の目標を個人の目標に落とし込み、かつ部内でも同じ結果目標を持っている人がいるので、メンバーそれぞれが連携して目標達成しようという意識が生まれる。

社内アンケートの結果より抜粋

全員で同じ方向を向いて、一枚岩の強い組織となるために…

目標を具体的で明確に言語化し、達成に向け徹底して管理するハーブ健康本舗の結果目標制度。社内でのアンケート結果から、目指すべきゴールを可視化し、定期的に振り返ることで、目標達成しやすくするメリットを感じていることが分かりました。その一方で、環境の変化による目標変更や、メンバー間・部署間の運用の仕方に課題を感じている人もいる実態が明らかになりました。

会社全体の目標は、組織に属する全員が同じ方向を向いて前進し続けることに大きく貢献します。また、目標を設定し、達成し続けることは、組織や個人の成長を促進する上でも重要な意味があります。

一枚岩の強い組織を目指し、ハーブ健康本舗では引き続き、目標管理の方法を見直し、よりベストな状態へと改善していきます。

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執筆:住吉泰地(すみよしだいち)
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