スタッフからチーフ、課長、部長…とキャリアアップするにつれて、会社や組織から求められる役割・仕事内容が変わります。

役職が上がると、身につけるべきスキルの専門性がより高度になるのに加え、部署全体や所属メンバーを管理し目標達成に導く「マネージメント業務」が加わります。

組織を盤石にするためには、各部署のリーダーが適切にマネージメントを実施し、部署それぞれが結果を出せる強いチームとして機能することが重要です。

リーダー育成の一環として、ハーブ健康本舗では「部長」の定義や求められるマインドを明確にして、2022年より“部長育成プログラム”という研修制度を進めています。

ハーブ健康本舗における「部長」はどういう存在で、どのようなはたらき方をしているのか。どういう役割が求められるのか。今回は、過去に部長育成プログラムを受講し、現在は部長として部署を束ねるふたりのメンバーにインタビューを敢行しました。

メンバーの成長を預かる身として、経営者視点での組織づくりを推進|商品開発 武下の場合

商品開発 武下
2016年7月入社。商品開発にてさまざまな商品の開発に携わる。部長育成プログラムの研修を経て、2022年11月より部長に就任。商品の開発・品質管理・法務・生産管理を幅広くマネージメントしている。

― このブログでは度々“商品開発”のお話をインタビューしましたが、今回は“部長”としてのお話を聞かせてください。

武下
宜しくお願いします!2022年11月から部長に就任し、商品の開発から品質管理・法務・生産管理までの分野をマネジメントするようになりました。

―  武下さんが部長になったときは、どのようなお気持ちでしたか? 一般的に、昇格は嬉しいニュースであると同時に、プレッシャーや責任で不安を感じる面があると思うんです。

武下
キャリアアップして自分にできることを増やしたいと考えていたので、部長になれて嬉しかったです。部長になる前に部長育成プログラムを受講しており、やるべき仕事・もつべきマインドを明確に伝えてもらっていたので、何したらいいんだろう…みたいな不安はありませんでした。

― 2024年1月に社長へインタビューした際、社長から「部長ポジションの育成に力を入れたい」との話がありました。会社として取り組みを強化している“部長育成プログラム”とは、どのような研修なのでしょうか?

武下
部長という役職の定義が資料にまとめてあり、資料に沿って必要なマインドやスキル、仕事における役割を学びます。事業・組織運営やリスクマネジメントなど、実務ではなかなか勉強できない経営者の視点を養える内容で、勉強になりました。

当時使用されていた資料の一部

課長と部長の違いが明記されていて、昇格する上で何が必要かを理解できる点が魅力的だと思います。求められる投資判断の領域や部署間連携など、項目ごとに「部長はこうあるべきだ」という会社の考え方を把握できました。

― キャリアアップを実現する上で、昇格する条件・基準が明確だと、自分が目指すべき目標が見えてきますよね。

武下
座学に加えて、日頃自分が手に取らないビジネス書・経営者の書籍を読んでディスカッションする時間が設けられるんです。実務をやりながら部長育成の宿題をこなすのは大変ですが、勉強の時間をつくって着実に視点を変える取り組みは価値があると感じました。

スキルやマインドを学ぶだけでなく、事業運営に対して会社がどう考え、どのような課題をもっているか?社長の考えを直接社長から聞ける機会がたくさんあり、貴重な時間でした。経営者である社長の話から、部長になる上で「自分のこういう部分を伸ばしていけばいいんだ」と、フィードバックを得られます。

― 部長になる上での重要な学びとなった育成プログラム。研修を経て部長に就任された訳ですが、仕事内容はどのように変化しましたか?

武下
部内マネージメントで求められる内容や質が変わりました。課長時代は部署に所属するメンバーのマネージメントが役割のひとつです。

課長から部長になると、部署メンバーに加えて、メンバーを育成している課長のマネージメントをするようになります。メンバーの育成や目標設定をするときは、個々人に寄り添うだけでなく、より長期的な視点や事業としての全体最適を考えるようになりました。

― まさに研修での“部長の定義”を実践されている武下さん。現在は開発業務はノータッチで、マネージメント業務に専念されているのですか?

武下
商品によっては短納期で開発したり複数商品まとめてリリースしたりすることがあり、メンバーと一緒に私も開発実務に関わる場面はあります。それくらい忙しい日々の中で、メンバーがどんどん成長し、できる仕事の範囲が広がっていくのを嬉しく感じています。

進捗と最終判断の部分はしっかり確認しますが、ゴールに向かって自分で推進できるメンバーばかりなので、とても頼りになります。

― メンバーがどんどんステップアップしているのですね!

武下
通販会社の商品に関わる仕事なので、業務内容が多岐にわたるんです。メンバーの育成で、一人ひとりの成長に合わせて業務内容が広がっていき、活躍するステージがどんどん変わっていくのが面白いなと感じます。

よりメンバーが実務経験を経て成長できるように、私自身がどこまで実務に関わるか、適切な距離を保つよう意識しています。メンバーの仕事や成果に責任をもつ立場として、組織をどう運用すべきか。常に考える日々です。

― メンバーの成長を想う気持ちは、リーダーになって強く芽生える気持ちだと感じます。部長になって、はたらく価値観や気持ちに起こった変化はありますか?

武下
部長として社外の人にみられることになるので、自分が会社のイメージをつくる人間であると自覚するようになりました。特に初めて来社されるパートナー企業の皆さんは、「この人がこの会社の部長なんだ」と思って相対するので、責任感を感じます。

また、組織づくりについて考えるときの思考が変わりました。「忙しくなったから部署に人を採用して!」ではなく、事業拡大のイメージを明確にして、「いつまでにどのような状態にするか」「そのためにいま何をすべきか」部長としての正しい判断に神経をつかうようになりました。

― 部署の人員配置や採用をかける/かけないはデリケートな問題です。課題に直面している部署リーダーとしては「人を増やして!」と熱望したくなるように思いますが、そこを経営者視点で考えることが大切だ…ということですね?

武下
全社目標を達成するために、自部署は何をすべきか。果たすべき役割を全うする上で、人を採用すべきか、業務効率化につながるツール導入を検討すべきか、仕事の割り振りやフローを見直すべきか…。最適解を判断することが部長に求められていて、最適解を出すために経営者視点で物事を考えるよう心がけています。

採用の話が出ましたが、部署メンバーの増員の必要性は慎重に判断しています。スキルだけでなく、事業を一緒に推進していく仲間として、メンバーが組織のマインドに一致しているかは非常に重要です。人員を採用する場合は、求める人物像を人事部と入念にすり合わせ、スキルとマインドがマッチする人に出会えるよう、丁寧に進めるべきだと考えています。

― 部長として武下さんが大切にされている考え・価値観がよく伝わりました。最後に、部長として将来のビジョンや目標があればお聞かせください。

武下
会社の事業拡大の基盤となれるような体制づくりが部長としての目標です。事業拡大に貢献できる新商品の開発から、商品の品質維持・強化、欠品せずお届けできる在庫管理体制を実現していきます。

部長育成をはじめ、直近で会社のリーダー育成が強化されているんです。他部署の部長・課長が増えていて、事業推進が加速しているように感じます。部署連携しながら、私も部署を引っ張っていけるよう、これからも頑張ります。

「任せる」ことでメンバー&部署がパワーアップ!|CRM企画 岩下の場合

CRM企画 岩下
2015年11月入社。CRM企画にて既存のお客さま向けにさまざまなキャンペーン・サービスを提供してきた。2018年より部長へ昇進し、現在は紙・Web問わず幅広いCRM領域でメンバーをまとめる。

※CRMとは「Customer Relationship Management」の略であり、直訳すると「顧客関係管理」。商品・サービス提供を通じてお客様とどう付き合っていくのか、コミュニケーションの全体設計からリピーター向け企画の立案・設計・具現化を推進する仕事。

― CRM企画の仕事内容にマーケティング論と、これまで幅広いジャンルでお話を伺ってきた岩下さん。まずは、部長になった経緯を教えてください。

岩下
社長とのミーティングで、来期の部署体制について話しているとき、部長として仕事をしないかと聞かれたのがきっかけです。当時は社内の体制構築を見直している真っ只中で、事業拡大に向けて各所の組織リーダーを決めている段階でした。

― この時期って、実はまだ部長の定義が明確につくられる前なんですよね。前例がない中での部長就任ということで、さまざまな想いがあったのではと想像しています。

岩下
ちょうど体制強化で事業が大きくなり、扱う商品数が増えつつある時期でした。違う商材のアプローチが徐々に増える中で、組織づくりについて責任が生じるようになり、マネージメントの在り方を考えることが増えていたように思います。

― 「組織づくり」は、部長の仕事を語るキーワードのひとつですよね。部長として組織をつくっていく上で、考え方や価値観に変化はありましたか?

岩下
部署を運用する上で採用活動に深く関わる立場となり、ハーブ健康本舗ではたらいて輝ける人はどのような人なのかを常に考えるようになりました。

面接を繰り返す中で、経験値の有無だけでなく“未経験でもポテンシャルがあり、会社の価値観を吸収してくれる素直な人”のイメージ像ができあがり、採用活動がスムーズになっていったのをよく覚えています。

― ハーブ健康本舗の行動指針でも、素直な心で物事をとらえて行動する重要さについて言及しています。会社とのマインドに合う人を探す上での大切な基準だと思います。

岩下
異業種から転職したメンバーが多く、通販概要やCRMの基礎から教えていくのは大変でしたし、覚える側も大変だったと思います。それでも、みんな素直に吸収し、成長してくれました。

メンバーの育成に関しては、最初は入社後のレクチャー内容が全部署共通のものしかなく…。部署オリジナルの資料を作成し始めるところから始めました。ブラッシュアップしつつ、3~4年かけてようやく形になりました。

― 育成の仕組みづくりもまた、大切かつ大変な仕事ですよね…。メンバーのマネージメントや育成に採用活動と、部長としてのさまざまな仕事が増えていく中、企画職としての実務はどうされていたんですか?

岩下
当初はプレイングマネージャーとして、実務とマネージメント業務を並行して対応していました。メンバーがまだ成長中の段階なので実務は私自身も関わらないといけない。でもマネージメント業務と並行して1から10まで自分で推進するのは難しい。やるべき仕事のジレンマで、悩むこともあったんです。

そんな時、印象的でいまでも覚えているのですが、社長からアドバイスをもらったことがあって。ちょうどメンバーの制作物を細かくチェック・手直ししていたときでした。

― どのようなアドバイスだったのですか?

岩下
「なんでも自分でやってはいけない」と。自分でさっさと直したくなる気持ちもわかるけど、任せる範囲はしっかり任せて、フィードバックしなさいと、指導してもらいました。

代表・永松のアドバイス
「任せる範囲を決めて、メンバーに任せなさい」

社長に 「岩下さんが成長したのはいつ?」と質問されて。前職時代も含めて振り返ったときに、代わりにやってくれる人がおらず、ひとりで成果を出さないといけない環境が一番成長できたなと思ったんです。「最終的に部長が手を加える、修正する」という状況が、皆の成長を止めてしまいかねない――仕事の進め方を悩む時期に、胸に響いたメッセージでした。

― 目の前の仕事をよくしようとつい手を出したくなってしまいますが、信頼をもって「任せる」ことでメンバーが成長し、部署全体としても中長期的に質の高い仕事ができるようになる。マネージメントの大切なポイントだと思います。

岩下
まずは私が考え方を変えないと状況はこのままだと感じて、メンバー各自のスキルや状況をみて任せる範囲を決め、「いままで手直ししてたけど、みんなに任せます!」と、メンバーに宣言しました。これ以降、私自身の仕事のやり方が変わるだけでなく、メンバーの成長が目に見えて良くなったんです。

企画内容をまとめた構成シートの質が高くなったり、わからないことへの質問の仕方が最適だったり。過去の実績を根拠に実施すべきキャンペーンの優先順位を考えて、提案してくれるメンバーも出てきました。仕事の成果でメンバーの成長が見えたときは本当に嬉しくて、部長としての仕事のやりがいを感じます。

― 素敵です!メンバーの成長の背景には、岩下さんのマネージメントが関わっていると思うのですが、部長になって勉強したり取り組んだりされたことはありますか?

岩下
自分で組織づくりやマネージメントに関する書籍を読みあさっていました。ほかにもコーチングやコミュニケーション手法など、普段は読まないジャンルにも手を伸ばし、少しでもマネージメントの質が上がるようにとの思いで関連分野を勉強したんです。

部長になって以降、経営企画のメンバーにCRM企画の部署へ出向してもらい、第三者視点で部署の課題解決に尽力してもらったのも、安定的な組織運用につながったと感じています。進捗管理の仕組みづくりを実装したり、タスクを整理して管理したりして、仕事が断然進めやすくなりました。

― ご自身の努力と部署連携で、CRM企画の部署が強化されたのですね。さらに年月が経ち、2022年に部長育成プログラムが開催されました。既に部長の役職ではあったものの、岩下さんも参加して勉強されたと伺いました。

岩下
はい、実務するだけでは聞けない社長の考えをたくさん伺いました。経営者は短期的・即物的に物事を考えず、常にビジョンを明確にもち、さまざまな情報にアンテナをはっているのだと、改めて実感できました。

課題図書として、孫正義さんや松下幸之助さんといった名だたる経営者の書籍に触れられたのもよかったです。普段手にとる本ではないので、新しい発見が多くあり、勉強になりました。

― 部長としての道をどんどん切り開いていく岩下さん。最後に、今後の目標や将来のビジョンをお聞かせください。

岩下
CRMはお客さまとのコミュニケーションの基盤です。カスタマーサービスと連携を密にして、メディアや部署を問わずお客さまとのやり取りをスピーディーに実現し、部署横断でコミュニケーション体系を最適化していきたいと考えています。

組織づくりとしては、人が育つ部署が目指す理想のイメージです。CRM企画で学ぶとどの部署でも通用できるような、メンバーどうしでお互いを高め合えるマインドが醸成するような部署を目指して、今後も部長として精進していきます。

メンバーの成長を間近で実感!成果につながるマネージメントで、盤石な組織をつくる

ふたりの部長に話を伺ってみて、自身が担当する実務とマネージメント業務とのバランスに悩みながら、部長としての考え方・スキルを磨くため、並々ならぬ努力をしていることが伝わりました。

マネージメント職として部署運営・組織づくりを進める忙しい日々の中で、メンバーの成長に触れたり、仕事の成果につながったりすることは、部長としての大きなやりがいにつながっているように感じます。

人事評価制度の仕組みがオープンで、昇格の要件を明確に言語化し共有しているハーブ健康本舗。会社に所属するメンバーのキャリアをバックアップし、組織全体で成長できるよう、常に制度の見直しや新たな育成制度を構築しています。

部長育成の取り組みは、2022年からはじまったばかり。盤石な組織づくりで、お客さまにさらなる喜びと感動をお届けできるよう、キャリアアップ制度をどんどん強化していきます。

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執筆:住吉泰地(すみよしだいち)
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