コロナウイルスの影響で人々のライフスタイルが大きく変わり、通販業界はここ数年、環境変化や通販利用者の価値観の変化がめまぐるしい時期が続きました。

巣篭もり特需、コロナ禍特有のニーズ、競合企業の参入…。特殊な状況下は次第に落ち着き、「アフターコロナ」と呼ばれる新しいステージに突入しました。

AI技術の革新や物流環境の改革により、商品・サービスの売り方が多様化し、新たな課題が浮き彫りになりつつある2024年。各社に大きな変化に対応するちからが求められています。

本記事では、昨年新しい3ヶ年計画を掲げたばかりのハーブ健康本舗・代表にインタビュー!アフターコロナの2024年をどう前進するか、経営方針や組織づくりについて伺いました。

代表・永松靖浩
ハーブ健康本舗の創始者。1998年の創業以降、自然美容健康茶「モリモリスリム」シリーズをはじめ、美と健康をサポートするオリジナルの健康食品を開発・販売。直近は化粧品事業や海外市場の拡大に注力しつつ、社内体制の強化として、マーケティングやセールスライティングに関する勉強会を実施中。

アフターコロナへの過渡期、環境変化への対応策とは

― 2023年5月よりコロナウイルスが第五類に移行し、世間でもマスクオフする人が増えたり、自粛していた外飲みや屋外イベントが復活しはじめました。ハーブ健康本舗としても、社内の慰労親睦会がはじまったりと、昨年からアフターコロナの兆しがみられましたよね?

永松
そうですね。コロナ禍では社内のイベントを自粛していました。もちろん換気対策など気をつけつつ、メンバーどうしの交流の場をもてるよう、社内の食事会を様子見しながら復活させました。

― コロナ禍からアフターコロナへの過渡期だった2023年。永松社長からみて、通販業界はどのような状況だったのでしょうか?

永松
2023年の後半からは特に、コロナの影響が落ち着き出し、環境やお客さまのライフスタイルに変化が起こりました。通販会社として、お客さまが求める価値の変化に敏感になり、環境に合わせて対応していくことが求められているように感じます。

そんな中、通販市場は伸びている会社と伸びていない会社が二分した印象です。明暗を分けたのは、変化に適応できたかどうか、という点ではないかと思います。

― 経営計画発表会でもお話されていたように、ハーブ健康本舗は前年比110%の成長率で推移しています。変化への適応が重要とのことですが、2023年の会社としての取り組みについて、お話できる範囲で教えて頂きたいです。

永松
2023年は社内の体制を大きく変えた1年でした。もともと2023年は勝負の年として強気な運用を考えていたんです。

しかし、年始の広告の費用対効果が想定より悪化していて、要因を調べ検討した結果、社内の体制構築や仕組みづくりに課題があると結論づけました。

― そこから経営の運用方針を変更したのですね。

永松
お客さまに美と健康をサポートする高品質な商品・サービスをお届けし、期待を超える感動を実感してもらうには、どんな状況でも安定的に稼働できるシステム・バックヤードと、斬新な企画開発・各種施策を挑戦し続ける盤石な組織体制が不可欠です。

具体的には、外部委託する範囲やパートナー企業との協力体制の見直しに加えて、2年前に設立したマーケティング戦略室を部署として稼働させました。

― 以前の記事で、マーケティング戦略室の会議の様子や部署としての独立の経緯をご紹介しましたね。

永松
各事業の運用方針を決めたり、マーケティングの戦略をたてたり、部署ごとの運用状況を判断したり…。会社運営の根幹部分は基本的にすべて私が主となり進めていました。

いまは経営企画やマーケティングを組織だてて推進する体制ができて、会社としての推進力・組織力があがったように感じます。実は一時期、20近くの課をすべてみていた頃があり、そのときはさすがにからだが足りないと思っていました(笑)。

― 組織単位で推進できるようになったことで、社長ご自身の手が空くようになったのですね。組織を見直すことで、ほかにどのようなメリットがありましたか?

永松
昨年の経営計画発表会でも話した通り、ハーブ健康本舗の強みは「販路」にあると考えています。たくさんのお客さまにアプローチできるよう、販路拡大は今後も大事にしたいテーマのひとつです。

販路ごとに成功パターンを確立し、成長し続けていくには、各部署が主体的に動き、失敗を恐れずに挑戦しながら前進していく組織が必要です。組織を改変し、各部門の責任者がパワーアップしてきているいま、販路の拡大・成長がスピード感をもってできるようになった点は、大きな一歩だと感じています。

― 2022年11月にはじめて「独立企業衛星体(※)」という言葉がこのブログに登場しましたが、直近どんどん実現に向け改革が進んでいるように感じます。

※「独立企業衛星体」とは、各部門で経営者と一体になった人が、迅速かつ正確に判断できる組織体を指す言葉。経営方針を踏まえて、いまの環境変化にスピーディーに対応できるよう、将来的に同じ会社の中で分社化し、独立した組織として決断・行動できるよう目指す。

永松
もともと競合が多い通販業界で、お客さまに商品・サービスをお届けするには、品質の向上に加えてスピード感のある行動力を発揮しなければなりません。

組織の改変は、組織全体の事業推進のスピードアップに大きく貢献しています。

2024年の通販市場、どのような経営方針&組織づくりで前進するのか

― AI技術の発展や2024年問題(※)など、これからの通販市場は大きな変化・課題が予測されています。激動の中をどう切り抜けていくのか、お考えをお伺いしたいです。

※「2024年問題」とは、物流業界の働き方改革が進むことで発生すると考えられる課題のこと。自動車運転業務の時間外労働時間に上限が設けられ、労働環境の改善が図られる一方、運送業者やドライバーの売上・利益が減少するリスクや、運送費の値上がりが懸念されている。

永松
そうですね…これらの変化に対して会社がやるべきことは、実はいままでとそこまで大差ないのではないかと考えています。物流管理費・資材費の値上がりに対しては、数年前から課題意識をもち、ハーブ健康本舗のバックオフィス部門が主体となって打開策を講じています。

業務の効率化・合理化・システム化は、会社の健全な運用に不可欠な要素です。引き続き、バックオフィス部門と連携しながら、適切に効率化・合理化・システム化を進めて、顧客満足を意識しつつ、会社経営と業務フローが円滑になるよう取り組んでいきます。

― ハーブ健康本舗のバックオフィス部門は、現在のフローを正確に運用するだけでなく、より改善するよう積極的に行動するのが特徴的だと感じています。システム部門でも、販促状況に応じてどんどん改修を進めていますよね?

永松
そうですね。バーコード決済の普及をはじめ、ここ数年でお客さまの買い物の仕方や決済手段に選択肢が増え、求められるニーズが変わってきています。細やかな改修を続けるのは大変ですが、システム部門がしっかりと推進してくれているので、お客さまに価値を感じてもらえるサービスを今後も自信をもって提供していきたいですね。

― 事業・販促についてはいかがでしょう?マーケティング戦略室のお話もありましたが、2024年の新たな動きなどあるのでしょうか?

永松
経営企画や分析、マーケティング戦略は引き続き強化していく方針です。特に分析は、組織体の見直しや仕事の割り振りを見直す中で、担当者が集中して業務に取り組める環境を整え、結果として分析の質が向上してきています。

分析機能の強化により、事業の課題をいち早く見つけやすくなり、精度の高い判断ができています。現在の販促状況からお客さまのご要望の変化を汲み取り、結果をもとに改善・行動する。このルーティンをスピーディにこなしていきたいと考えています。

― 経営企画やマーケティング戦略室の部署の活躍に期待ですね!

永松
分析結果により明らかになった課題は、商品開発や新しいお客さまへのアプローチ、既存のお客さまのファン化促進に活かされます。国内直販・EC事業・卸事業・海外事業と、各販路での拡充を部署ごとに担当を割り振って推進している最中です。

昨年から徐々に拡大している『HORMO』をはじめ、『モリモリスリム』『KC』『100年健康源』各シリーズの販促を強化するとともに、新商品・新ブランドの設立とテスト販促にも力を入れていきます。

― お話いただいた内容を遂行する上で、2023年に実施した組織改変が生きてくるように思います。

永松
組織力は現状よりさらに上げたいですね。新しい3ヶ年計画として年商180億円を掲げ挑戦していますが、達成するために組織全体がもう一段成長することは必須だと考えています。社内のスキルアップ・レベルアップに加え、社外のパートナー企業との連携も見直していきたいです。

社内の方は、個別に勉強会をひらくよう準備をしています。加えて、業務のスピードをアップさせる取り組みの一環で、各所とのやり取りや業務フローの合理化を部署単位で推進しているところです。

― お話いただいた内容を遂行する上で、昨年実施した組織改変が活きてくるように思います。インタビューの締めに、お話のまとめとして、「2024年の目標」をお伺いしたいと思います。

永松
会社として、引き続き組織づくりを強化していきます。特に部長ポジションの育成には力を入れていきたいですね。現在、少しずつ任せられるメンバーが増えているので、引き続き部署運営を任せられるメンバーに、勉強会を実施するなどして、成長できる環境整備を進めていきます。

組織運営を見直す中で、グループとして新規事業を展開・拡大していくのが今年の目標です。昨年のHORMOに続くヒット商品を出したい気持ちも強いです!お客さまの期待を超える喜びと感動を提供できる“すごいの”を、メンバーと一緒に生み出していきます。

高品質な商品・サービスを圧倒的スピードで実現!お客さまの期待を上回るすごい組織を目指します

アフターコロナの中でも自分たちの理念に忠実に、お客さま満足を意識し、高品質な商品・サービスをお届けすることを大事に考えるハーブ健康本舗。

激動の時代…どのような変化にも対応できるよう、盤石な組織づくりを推進しつつ、積極的に挑戦し事業展開・拡大する経営方針で、2024年もメンバー一同精進いたします。

引き続き本ブログにて、会社のさまざまな取り組みや関わるメンバーの想いをお届けしてまいります。

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執筆:住吉泰地(すみよしだいち)
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